文 様 図 鑑
◆束ね熨斗文◆
熨斗…
①火熨斗(ひのし)の略。
※底のなめらかな金属製の機器で中に、炭火を入れ、その熱気を利用し、底を布に押し当ててしわを伸ばすもの。(※広辞苑)
②熨斗鮑(のしあわび)の略。
あわびの肉を薄く長く剝ぎ、引き伸ばして日に干したもの。古くは食料に用いられていたが、後には儀式や祝い事に用いられた。
…三省堂 全訳読解古語辞典より…

熨斗は、鮑の肉を薄く剝いで引き伸ばし、紙の間にはさんで、祝儀の進物や引き出物に添えたのが始まりです。それを細長い帯状に文様化したのが熨斗文で、多くは数本束ねた束ね熨斗文として表される。
吉祥文様として礼装のきものをはじめ、様々に使われます。
…美しいキモノ205号付録・きもの文様図鑑より…
◆束ね熨斗文ミニチュア着物◆

丈:肩幅+袖幅(縦:横)350mm300mm
袖丈 245mm
黒色の地色が、格調高い振袖。
◆薬玉模様◆
薬玉…
種種の薬や香料を玉の形をした錦の袋に入れ菖蒲・蓬などの造花を結び、五色の糸を垂らしたもの。長寿を祈って、五月五日の端午の節句に用いる「長命楼」「続命楼(しょくめいろ)」と。
…岩波古語辞典より…
陰暦の五月五日の端午の節句に、邪気を払うために、柱や簾(すだれ)などに掛けたり衣服ににつけた飾り麝香(じゃこう)・沈香(じんこう)・丁子(ちょうじ)などの香料を袋に入れ、菖蒲や蓬の造花をあしらって五色の糸を長く垂らす。
…全訳読解古語辞典より…
◆薬玉模様のミニチュア着物◆
丈:肩幅+袖幅(縦:横)348mm:300mm
見えている薬玉は、五個で見えていない袖の前にも左右一個薬玉が描いてある。
ミニチュア着物全体では、計七個の薬玉が描いてある。
◆宝船模様◆
宝船…
縁起物の一。七福神が乗り込み、種々の宝
物を積み込んだ帆掛け船また、その様子を
描いた絵正月二日その絵を枕の下に入れて
寝るとよい夢を見、良い事が起こるという
…新明解百科語辞典より…
①米俵や、財宝を積み、七福神を乗せた帆
掛け船。
②紙に①の絵を描いたもの「なかきよのと
をのねふりのみなめさめなみのりふねのお
とのよきかな」と上下いずれから読んでも
同じ語句の歌(回文歌)が添え書きされてい
る。正月二日の夜に枕の下に敷いて寝ると
縁起のよい初夢を見ることができるといわ
れた。
…全訳読解古語辞典より…
◆宝船模様のミニチュア着物◆
丈:肩幅+袖幅(縦:横)340mm:300mm
「寿」文字の帆掛け船に米俵、打出の小槌
(こづち)金囊(きんのう)、隠れ笠、丁子、
隠れ蓑(かくれみの)分銅等々のお宝尽くし
◆御所解模様◆
御所解…
御所風の模様ということですが、解の字の
意味は不明 明治以降の名称ともいわれて
いる。家屋や橋などの風景の中に、御所車
几帳(きちょう)檜扇(ひおうぎ)など、公家
に関係のある、王朝風の雅な文様を配した
優雅で上品なものです。
京友禅染や加賀友禅染に多く見られる。
…美しいキモノ205号付録・きもの文様図鑑より…
御所勤めのお女中方が着ていたところから
の命名と、いわれる御所解模様。
旧大名家系の美術館等では歴代の姫君の所
用品として保存してあり、江戸期最上級の
武家女性の衣装の模様である。
…古い私的資料に付き出所不明…
◆御所解模様ミニチュア着物◆
丈:肩幅+袖幅(縦:横)340mm:300mm
桜、青紅葉、女郎花、桔梗菊、雪持ち梅等
の四季折々の花々と御所風建物に、模様の
流れをつけるように流水も描かれ、これぞ
御所解文様なり、通好みのお着物。
|